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小麦アレルギーになりにくい小麦とは

Last Updated on 2021年5月9日 by 院長

食物アレルギーの特殊型に、食物依存性運動誘発アナフィラキシーという病気があります。

この病気の患者さんは、ある特定の食べものを摂取して、直後に運動するとアナフィラキシーという強いアレルギー反応を起こしてしまいます。ただしその食べものを摂取しただけ、運動しただけでは症状はでません。

英語ではFood-dependent excise-induced anaphylaxis、略してFDEIAと言います。

日本人では、小麦アレルギーの方がこのようなアレルギーのかたちをとることが多いです。小麦製品+運動だけではなくて、小麦製品+お酒、小麦製品+痛み止めでも発症することが知られています。ラーメンとビールとか、いい組み合わせなんですけどね。小麦が食べられないと日常生活が本当に大変です。

小麦によるFDEIAの主なアレルゲンは、小麦中の「グルテン」に含まれる「ω-5グリアジン」です。今では、小麦アレルギーを疑った時に、血液検査でω-5グリアジンに対する特異的IgE抗体を簡単に測定することができるので、大変便利です。

ω-5グリアジンが小麦のFDEIAの主なアレルゲンであることを明らかにして、さらにその特異的IgE抗体を血液検査で測れるようにしたのは、島根大学医学部皮膚科学講座の森田栄伸先生のグループです。私は森田先生が広島大学におられたときも、島根に行かれたあとも、長年大変お世話になりました。

森田栄伸先生のグループは、ω-5グリアジンの含まれない小麦(しまね夢こむぎ)の開発に成功していて、なんと耕作放棄地への種まきもすでに終わり、6月に収穫が始まるそうなのですが、小麦の選別に必要な機器を購入する資金を集めるためにクラウドファンディングを立ち上げておられます。ちなみに「ポツンと一軒家」でも紹介されたそうですが、私は観ておりません。

もしご興味がおありで、是非協力したいという方は、こちらのサイトをみてください。プロジェクトの経緯が詳しく書いてあります。「しまね夢こむぎ」でGoogle検索してもたどり着くことができます。4月16日まで寄付を募集しています。

小麦アレルギー患者さんの役にたち、地域振興にもつながる、大変夢のある話だと思います。なにより楽しそうですよね。

ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

追記:無事目標額(1000万円)に達したそうです。ご協力有り難うございました。