生物学的製剤による治療

Last Updated on 2020年8月4日 by 院長

最近、皮膚の病気に対しても、従来の塗り薬や飲み薬ではない、新しい注射のお薬による治療ができるようになってきました。今のところ広島県では総合病院で治療することが多いですが、その一部は条件があえば、クリニックでも使うことができます。

じんま疹は、赤いかゆいぶつぶつが1日以内で出たり消えたりを繰り返す病気です。通常は抗ヒスタミン薬という飲み薬で治療しますが、2倍量に増量しても効果が不十分な方もいます。H29年3月から、オマリズマブ(ゾレア®)という注射のお薬が使えるようになり、人によっては注射して1-2日くらいで、それまで頑固に出ていたじんましんが全く出なくなるくらいよく効くことがあります。高額な薬剤ですが、2020年4月1日からの薬価改定で4割近く減額になっています。詳しくはこちら

じんましん臨床写真
じんましん

 

アトピー性皮膚炎に対しても、H30年から注射のお薬が使えるようになっています。アトピー性皮膚炎は、慢性の湿疹が関節の裏の部分や、顔、体に繰り返す病気です。ステロイドや免疫抑制剤の塗り薬が主な治療ですが、上手く外用できない方や、外用しても皮膚炎が治まらない難治な方がおられます。そのような重症の患者さんに2週間に1回の注射で、皮膚炎が改善してくるお薬(デュピルマブ:デュピクセント®)が使えるようになりました。ただし、アトピー性皮膚炎患者さんならみんな使えるかというとそうではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。詳しくはこちら

アトピー性皮膚炎臨床写真
アトピー性皮膚炎