マダニ刺症

Last Updated on 2020年6月11日 by 院長

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、室内施設よりは、野外で過ごすことが多いかと存じます。

野外の活動で、時にマダニに刺されることがあります。

このあたりではタカサゴキララマダニが多いようです。

タカサゴキララマダニ

マダニを皮膚につけたまま受診される方、ピンセットなどで自らマダニを除去して来られる方、さらに除去したマダニを持参される方などあります。

マダニが皮膚についている場合、口器が脱落している場合は、局所麻酔をして小さく切除することをおすすめします。

マダニ刺症

マダニは口器の固定のために「セメント様物質」を皮膚に注入しています(下の写真の真ん中のべったりピンクにそまっている物質)。

セメント様物質

マダニの口器が脱落せずに保たれている場合は、切除はしなくても良いとされています。

 

マダニが媒介する感染症には、

ライム病(遊走性紅斑)

日本紅斑熱

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

などがあります。

最近では、歌手のジャスティン・ビーバーがライム病だと公表していました。

リケッチア感染の予防に、テトラサイクリン系の抗菌薬を内服します。予防投与をせずに、何か症状があればすぐに再診を勧めるほうが良い、という意見もあります。病原体を保有している確率が低いから、ということでしょう。私はビブラマイシンくらいなら内服しておいた方が良いと思っています(自分なら内服します)。

SFTSウイルスの場合は、抗菌薬は効果がありません。