動物咬傷
Last Updated on 2020年6月11日 by 院長
動物咬傷についてです。ペットとして多いのはやはりイヌ・ネコです。
イヌの場合は、小型犬はともかくとして牙が太く大きいので、ネコとは少し状況が違います。
今は亡き我が家の愛犬です。彼は生涯で一度もヒトを嚙みませんでした。
ネコの場合、嚙まれたあとに放っておくと、ほぼ確実に感染を起こしてきます(イヌなら大丈夫、と言うわけではないです)。
かみ傷の周りが赤くなっています。
その理由は、ネコの牙は細く鋭いので、皮膚の奥深くまで入り込んだ菌(ネコの口の中の菌)が、外に出て行けずにそこで増えてしまうからです。
従って、皮膚をすこし切開して、注射器を使って生理食塩水で内部をしっかり洗ってあげることが必要です。
抗菌薬で使うものは大体決まっていて、内服薬だとアモキシシリン/クラブラン酸(オーグメンチン配合錠)が第1選択です。通常の蜂窩織炎で使う第1世代セフェムは単独では用いない方が良いとされています。オーグメンチンなどのペニシリン系の抗菌薬が使えない時には、ドキシサイクリン(ビブラマイシン®)も有効です。点滴だと、セフトリアキソン(ロセフィン®)も有効とされています。
ネコに嚙まれたら、ひどくなる前に医療機関を受診してください。