酒さ、酒さ様皮膚炎

酒さ:中高年の顔面、特に鼻部に好発し、びまん性発赤と血管拡張が数ヶ月以上持続する慢性炎症性疾患。

酒さ様皮膚炎:ステロイド外用剤を顔面に長期使用することで、酒さに類似した紅色丘疹、びまん性潮紅、痤瘡が発生する。皮疹が口囲に限定されているものを口囲皮膚炎と呼ぶ。

(あたらしい皮膚科学 第3版より引用)

という定義です。どちらも自然免疫系が過剰に働いて炎症を起こしている、というように考えられています。

酒さは、

第1度(紅斑毛細血管拡張型)

第2度(丘疹膿疱型)

第3度(腫瘤型)

眼型

に分類されています。基本的に難治です。日本の教科書にはあまり詳しく書いてないですが、海外の教科書ではかなりのページ数をさいてあり、白人の方が我々有色人種よりも頻度が高いことをうかがわせます。生活指導としては、刺激の強い食物、過度の日光暴露、ストレスをさけるようにします。治療はメトロニダゾールの外用、テトラサイクリン系の抗生剤の内服を行います。腫瘤を形成するようになると、飲み薬や塗り薬だけでは難しくなってきます。毛包虫(ニキビダニ)が多数検出されることがあります。

毛包虫
毛包虫

酒さ様皮膚炎の場合は、ステロイド外用を中止します。タクロリムス軟膏も有効ですが、逆に酒さ様皮膚炎を起こすことがあると言われており、注意が必要です。テトラサイクリン系抗生剤の内服と、やはり酒さと同じようにメトロニダゾール外用を行います。痤瘡につかう外用抗菌剤でもいいのかもしれません。口の周りや眼の周りに起こることが多く、また子供にも起こります。酒さと同じく、毛包虫が多数検出されることがあります。

メトロニダゾールの外用剤は、世界的には酒さや酒さ様皮膚炎の標準治療薬ですが、本邦では今のところ保険適用はありません(ロゼックス®ゲルの適用は、がん性皮膚潰瘍のみ)。

当院では、メトロニダゾールの試薬を購入して、親水軟膏に溶かして自家調整したものをお渡ししています(容器代込みで10g, 350円)。

メトロニダゾール軟膏(1%)
メトロニダゾール軟膏(1%)

医薬品のロゼックス®ゲルを5g、10g容器でお渡しすることもできます(容器代込みで、それぞれ1100円、1650円)。適用外使用で、自費になるので高額です。

ロゼックスゲル
ロゼックス®ゲル 50gチューブ

メトロニダゾールがお肌に合わない、という方はアゼライン酸配合のDRX AZAクリア(税込み1980円)を試してもいいかもしれません。もともとはニキビに対して使われるもので、セカンドラインの治療としてガイドラインにも記載があります。

DRX AZAクリア
DRX AZAクリア