類表皮嚢腫(粉瘤)
Last Updated on 2022年12月31日 by 院長
類表皮嚢腫(日本では粉瘤とかアテローマのほうが通りが良いです)は、皮膚にできた嚢腫(袋みたいなもの)で、中には角質(要するに垢)が貯まっています。内容物がでてくると、特有の臭いがあります。嚢腫は皮膚の表面とはくっついていますが、下床とは可動性があります。表面には臍(小さな黒い孔)が見えることが多いです。ちなみに手足に出来るときは、臍は見えません(足底嚢腫)。
皮膚エコーでみるとこんな感じに見えます。
低エコー嚢腫で、後方陰影の増強、側方陰影あり、というのが典型的です。
治療は、袋全体を外科的に切除することです。
特に症状がなければ、放置しておいても問題ないことが多いです。時々臭いが気になる程度でしょうか。
しかし、しばしば細菌感染を起こします(感染性粉瘤)。
こんな風になってしまうと、局所麻酔を打って皮膚を切開し、膿と内部の角質を絞り出して、しばらく毎日洗う必要があります。
ごく稀にですが、長年放置した大きな粉瘤には、癌(有棘細胞癌)が内部に発生することがあります。
従って、摘出手術を行った時には、念のために病理検査を提出します。