多汗症

Last Updated on 2021年1月16日 by 院長

多汗症には、全身性のもの、局所性(体の一部だけ)のものがあります。またそれぞれが、原発性と続発性(他の疾患が原因で起こるもの)に分けられます。

ここでは、通常治療の対象となる、原発性局所多汗症について取り上げます。これに含まれるのは、

原発性手掌足底多汗症

原発性腋窩多汗症

原発性頭部顔面多汗症

の3つです。

原発性腋窩多汗症に対しては、塩化アルミニウム外用と、ボツリヌス毒素(ボトックス®)注射でしたが、2020年11月26日にエクロック®ゲルという外用剤が発売されました。

原発性掌蹠多汗症に対しては、塩化アルミニウム外用イオントフォレーシス、ボトックス®注射、交感神経遮断術です。

原発性頭部顔面多汗症に対しては、塩化アルミニウム外用内服療法、ボトックス®注射、交感神経遮断術(代償性発汗が必須だそうです)です。

当院にはイオントフォレーシスの機器はありません。

ボトックス®注射は、腋窩多汗症に対して施行します。腋窩以外は保険適用がないので施行しません。

エクロック®ゲルは抗コリン作用のあるソフピロニウム臭化物を有効成分とした外用剤で、専用のアプリケーターを使って1日1回外用します。ボトックス®注射はよく効くのですが、なにせ痛い(そして値段が高い)ので、腋窩多汗症の場合は、まずこちらを使うことになるのかなと思っていましたが、重症の方(HDSSが3か4)しか使えないことになっています。より詳しくは、製造販売元(科研製薬)の運営するサイト(ワキ汗治療ナビ;外部サイト)があります。下にバナーを貼っておきますので、ご参照ください。

 

塩化アルミニウム水溶液を院内製剤として扱っている医療機関もあります(広島大学病院や県立広島病院など)。当院では、化粧品になりますが、セルニューのデオドラントクリームと、ケイセイのD-bar、D-tubeを取り扱っています。どちらもアルミニウムが成分に入っていて、制汗とデオドラント両方の目的に使います。

D-bar/D-tube

 

ボトックス®注射について、くわしくはこちら