尋常性天疱瘡
Last Updated on 2023年2月4日 by 院長
尋常性天疱瘡は、口の中などの粘膜と、皮膚に水疱ができる病気です。表皮内水疱なので、弛緩性で破れやすいです(水疱の壁が薄いため)。水疱の周りの赤みは目立ちません。水疱性類天疱瘡の患者さんよりは、若い方に生じます。難治性の口内炎として、歯科で診療されている例もあります。
病理標本では、表皮内水疱が確認できます。
角層の細胞がばらばらになるために水疱ができるので、細胞診では棘融解細胞が検出できます。
原因となるのは、デスモグレイン1とデスモグレイン3に対する自己抗体です。
治療は基本的には総合病院の皮膚科へ入院のうえ、ステロイドを大量に投与して、免疫抑制剤も併用します。難治な場合は、血漿交換療法や免疫グロブリン大量静注療法、リツキシマブの投与などが行われます。