薬剤誘発性リンパ球刺激試験
Last Updated on 2021年4月20日 by 院長
薬疹の検査に、薬剤誘発性リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocyte stimulation test; DLST)というものがあります。
一般的な薬疹は、Ⅳ型アレルギー(活性化したTリンパ球が働く)と考えられています。従って、理屈の上ではリンパ球と薬剤を試験管内で反応させると、原因薬剤であれば活性化され、そうでなけれは活性化されない、ということになるように思えます。
検査の実際は、患者さんから採血して、リンパ球を含む単核球を分離します。そのリンパ球に被疑薬剤を添加して、サイミジンの取り込み(細胞の増殖反応)を測定して、判定を行います。コントロール(薬剤無添加の細胞)と比較して、181%以上なら陽性としているようです。
単純な検査ですが、結果の解釈が難しいです。
コントロールの値が低い場合、薬剤を添加して181%以上で陽性と判定されても、単なるばらつきをみているだけの可能性があります。
偽陰性が多い検査で、陰性だからまた内服しても大丈夫、ということには全くなりません。
結局、コントロールがある程度高くて、複数の薬剤を検査して1つの薬剤だけすごく高い反応(300%以上)がある、という場合は信頼性が高そうに思えますが、それ以外のケースでは、解釈に悩むことになります。