乾癬

乾癬(psoriasis)という皮膚疾患があります。

体部白癬に皮疹の形がちょっと似ているので、うつるのではないか、と思われることもありますが、うつりません。

病型は、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、滴状乾癬、乾癬性紅皮症に分けられます。

尋常性乾癬 臨床像
尋常性乾癬

 

いわゆる炎症性角化症のひとつで、家族性の膿疱性乾癬以外は、単一の原因で起こっているのではないと考えられます。遺伝素因(HLA-Cw6)、外的因子(環境、ストレス、感冒、食事、飲酒、喫煙)、内的因子(糖尿病、肥満、脂質代謝異常)が複雑に絡み合って発症します。

皮膚症状は、厚い鱗屑を伴った紅斑局面です。メタボリック症候群のような方が多いので、生活習慣を改めて頂くことも重要です。

治療には、外用療法(ステロイド、VitD3)、光線療法(PUVA、ナローバンドUVB、エキシマライト) レチノイド(チガソン®)内服、シクロスポリン(ネオーラル®)内服、メトトレキサート(リウマトレックス®)内服、アプレミラスト(オテズラ®)、生物学的製剤  があります。

一昔前は入院してコールタール(タール軟膏)を外用したり、タールを含んだ温泉(北海道の豊富温泉が有名)に入浴したり、ということもありましたが、現在はそのようなことは少ないのではないかと思います。尋常性乾癬(普通の乾癬)で入院が必要なことはほぼなくなりました。

このうち、生物学的製剤と呼ばれる抗体製剤は、薬価も高いですが、効果も非常に高く、注射さえ定期的にしておけば皮疹がほとんどなくなることも珍しくありません。乾癬の病態で重要な役割を果たす、TNFαをターゲットにするもの、IL-17をターゲットにするもの、IL-23をターゲットにするものなど、現在本邦で使用可能な薬剤は8種類(レミケード®、ヒュミラ®、ステラーラ®、コセンティクス®、トルツ®、ルミセフ®、トレムフィア®、スキリージ®)あります。

乾癬の病態とサイトカイン
Ogawa E, et al. J Dermatol 45: 264-272, 2018.

 

個々の患者さんのさまざまな条件(年齢、性別、体重、基礎疾患、通院間隔、自己注射ができるかどうか、など)で生物学的製剤を選択しますが、少なくとも導入のための検査は総合病院で行う必要があります。広島県では、今のところ、そのまま総合病院で投与を続ける場合がほとんどかと思います。

クリニックで使いやすい薬は、エトレチネート(チガソン®)やアプレミラスト(オテズラ®)です。

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