検査

アルコールランプからヒートブロックへ

Last Updated on 2023年5月24日 by 院長

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、最近アルコールランプを撤去しました。

真菌の顕微鏡検査の際に、当院ではズームブルーという試薬で真菌を染色しています。主に、白癬菌、カンジダ、癜風菌などを検出できます。毛包虫疥癬も見えます。

その際に、加熱をしたほうが早く角質が溶けて染まりやすくなります。これまで私たちが勤務していた施設では、アルコールランプか、100円ライターで加熱をしていました。

ライターでは黒い煤がスライドグラスに付着して顕微鏡で観る前に拭き取る必要がありますので、開院してからずっとアルコールランプを使用していました。ただ、やはり「炎」ですので、気をつけないとあぶないなあ、と常々思っていました。

ほぼ4年経過して、先日こぼれたアルコールに引火して本当に火事になりそうでしたので、これを機にアルコールランプは撤去しました。

最近購入した真菌に関する書籍(教えて!うたこ先生 皮膚真菌症マニュアル)では、そのまま待つ、アルコールランプで加熱、ヒートブロックで加熱、とあり、そのまま待つのは流石に時間が掛かりすぎるので、ヒートブロックを購入しました。家庭用のホットプレートでも良いみたいですが、やっぱり実験用の機材にしました。アズワンです。60℃〜80℃がいいようです。

いざ使ってみると、思った以上に角質が溶けるのが早く、快適に使用できています。皮膚であれば2分くらいでいいみたいですね。爪はアルコールランプを使っても染まるのに時間がかかります。

これで火事や熱傷の不安は全くなくなりました。100円ライターやアルコールランプを使っているすべての施設にヒートブロックをおすすめしたいくらいです。

ただ、検査のため患者さんには一度中待合に出ていただくことが多くなり、ご面倒をお掛けしておりますが、確実な診断のためご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。