円形脱毛症

Last Updated on 2020年5月21日 by 院長

円形脱毛症は、主には類円形の脱毛斑が頭にできる病気です。単発型,多発型,全頭型,蛇行型に分類されます。ダーモスコープで頭髪を観察する(トリコスコピー)と、活動期には感嘆符毛(漸減毛、黒矢印)黒点(赤矢印)、黄点が観察でき、他の脱毛症(男性型/女性型脱毛、抜毛症、瘢痕性脱毛など)と区別する手がかりになります。

病態としては、自己のリンパ球が自分の毛を攻撃するためにおこると考えられています。アトピー性皮膚炎のある方は、難治な印象があります。

日本皮膚科学会の2017年のガイドラインによると、円形脱毛症の治療で推奨度が高いものは、ステロイドの局所注射局所免疫療法ステロイド外用の3つです。ただし、急速に脱毛が進んで、引っ張ると簡単に毛が抜ける(牽引試験陽性)の場合は、ステロイドミニパルス療法を行うことがあります。ソルメドロールというステロイドのお薬を使いますが、入院して行うことになっています(もともと脱毛に対する保険適応がないため、入院でおこなうなら健康保険で認めますよ、という但し書きがあるためです)。3日間入院し、点滴の治療をしますが、その場合は連携する総合病院に紹介します。

当院では、局所免疫療法、紫外線療法(エキシマライト:R2年4月から保険適用)、冷凍凝固療法、セファランチン®+グリチロン®内服、抗ヒスタミン薬内服、ステロイド外用、ステロイド局所注射などが行えます。局所免疫療法は、昔から行われている方法で、人工的にかぶれを起こすことで、円形脱毛症の炎症からかぶれの炎症に変調させることで発毛が起こると考えられています。治療の実際はこちら

エキシマライト
エキシプレックス308(エキシマライト)